今月は夜間見学会もあるので再々訪問。
夜間見学会では、特別に座ることを許された重文のソファーに腰をかけて空間全体をゆっくりと味わうことができました。

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正面の車寄せ。
櫻正宗の山邑太左衛門氏の別邸として建てられたヨドコウ迎賓館。
空き家のまま放置され、ヨドコウの独身寮になり、震災があり・・・紆余曲折を乗り越えて今年で建築から92年。
ライト建築といえば帝国ホテルが真っ先に浮かびますが、国内で建築当初のまま残っているのはのヨドコウ迎賓館と東京自由学園だけだそうです。

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窓枠を額縁に見立てて外の風景を絵画のように楽しむための設計。
すべての部屋には天井の真ん中に照明がついていません。
日本の住宅ではひとつの照明でバーンと全部を明るくしますが、海外では陰影を楽しむためにひとつの部屋の中でも明るい場所と暗い場所があるそうです。

夜の風景。建築された頃には全く違った風景があったのでしょう。
早朝に六甲山から大阪湾までを見渡す気持ち良さはこの場所ならではだと思います。

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食堂から出たバルコニー。
暖炉の煙突を真ん中に迷路のようになっています。

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夜、バルコニーから見える食堂の灯。
建築当初からオール電化だったので、調理器具も電化製品がたくさん揃っていたようです。
電気は阪神電鉄から直接送電させていたというのですからスケールが違います。
11月から始まる2年間の改修工事で更に歴史を積み重ねることになるのでしょうね。


ヨドコウ迎賓館

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