第10回桂南光古典落語会

20161030

秋になると、岡本駅付近は南光さんのポスターでいっぱいになります。
このところの落語ブームは戦後一番の盛り上がりと言われていますが、ブーム到来前から毎年開催されている岡本寄席。
あっという間に完売するチケットをなんとか入手することができ、心待ちにしていました。
いんやー、おもしろかったー、どれだけ笑っても足りず思い出しては笑っています。

まずは桂そうばさんの手水廻し。
転失気なんかもそうですが「知りません」と言えない苦しさとおかしさ。
端から見るとしょうもないことを本人たちは一生懸命やっている様子がおかしくておかしくてたまりません。

桂歌之介さんは悋気の独楽。
悋気というのはヤキモチのことですね。
幾人もの登場人物がくっきり浮かび上がってきます。
悋気で離縁した先輩、お竹さんが傑作。
定吉とごりょんさんのやりとり、コミカルな独楽実況。
果ては心が狂とりますということなのでもうゲラゲラ笑うしかありません。

最後に南光さんの鹿政談。
枕にいろいろな言葉の解説が含まれていて、本題に入った頃には単語の意味がわかっているので、話がするっと聞けるようになっているのです。
噺家さんというのは上手なもんだなぁとしみじみ恐れ入りました。
奈良では鹿を車で轢いてしまったら犬に見えたと言わないと死刑になるで、と本当か嘘かわからない話を聞いたことがありますが、このことだったのか、と合点がいく噺でした。

自治会や青年団が手作りで守り続けている桂南光落語会。
五風十雨。
ありがとうございました。

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