今回の音楽ノートは2017年-2018年にリリースされたタケムラヤスシが参加した作品を2作ご紹介します。

山田岳「OSTINATI」

タケムラは  ” アルヴィン・ルシエ:アコースティックギターとサイン波のための《月光に輝く散り敷ける落葉の上に》” に参加し、終始発され続ける329.6Hzのサイン波を製作しました。
レコード芸術特選盤、音楽現代推薦盤にもなっています。
佐藤紀雄先生が評する通り、ギターの現代作品集というカテゴリーを大きく超えた『一人のギタリストによる、現代の音楽集』です。
緻密な技術、知性的で大胆な表現。
リスナーにとって決して易しくありませんが、今この時の音楽に真摯に取り組まれた大変尖鋭的な作品です。

 

Toshiyuki Yasuda「Breaking the Silence (Version 10.3.3)」

いつもいつも大変お世話になっている安田寿之さんが2016年にスタートしたプロジェクト ” ヴァージョン・アップ・ミュージック “。
制作過程でリスナーの意見を取り入れながら、アプリのようにヴァージョンアップする音楽作品。
作品名の最後に記されている10.3.3という数字がこの作品の重要な意図を刻んでいます。
タケムラはファンダーとして参加しました。
音楽家としての活動や作品の素晴らしさはもちろんのこと、音楽が置かれている環境までも見通すことができる安田さんにしかできない挑戦的な企画です。
福山雅治さん出演キューピーハーフ、中川翔子さん出演株式会社トライテラスCM曲のリアレンジも収録されています。
2018年1月24日、満を辞してのリリースです。

music voiceのインタビューでは今回の取り組みや製作過程などが掲載されています。
音楽はもっと自由なはず、安田寿之 リスナーと創る新たな音楽の形